日本全国で発行されているフリーペーパーの数はなんと千種類を超えているらしくて、総発行部数は2億を越えているそうです。
先日、「幻の」フリーペーパーといわれた「美少女図鑑」シリーズの長崎版を、手にとって眺める機会がありました。
無料のわりには質感的に完成され過ぎていて慣れない感じがありますが(ボクの持つフリーペーパーの概念がついていかない)、コンセプトは面白いなあと思っていたので、興味深く眺めさせていただきました。
無料でもらえて、保存可能なキチンとしたつくり。自分や友達かもしれない同じ年代の普通の子がモデルになれる身近さと、高い発行部数による露出への期待や満足感。かんっぜんに対象読者から外れているボクでも、手にする若い女性はさぞ楽しいだろうなと想像がつきます。たしかに、流行る理由が揃っていますよね。
ただ、これはボクだけかもしれませんが、あからさまな宣伝広告がほとんど見当たらないのにも関わらず、一見してお金のかかっていることのわかる「無料の媒体」について、瞬間的に遠慮したい衝動に駆られてしまうことがあります。
なぜだろうと考えると、出資しているであろうどこかの企業や業界組織の広告経費が企画自体を起こしてしまったような、情報誌本来の意義とは逆の雰囲気を、無意識のうちに探してしまうからのようです。
それはホットペッパー系のわかりやすい営利の仕組みから享受できる明るいサービスとはちょっとちがう感覚といえます。
ところで最近は「リトルプレス」と呼ばれるローカルな手づくり雑誌が見直されて、全国の各誌が注目されているそうです。かなり古くから刊行されているものもあったりしているから、人々が社会を形作るための生活にしっかり根付いて、本当に必要とされている内容を提供し続けているということでしょう。
もちろんフリーペーパーではないので、こちらはきちんと読者に料金を払ってもらう。企画・編集・制作・営業にかかる経費を、内容の対価として正当に売り上げることができているのです。
大手の有料雑誌が軒並み休刊に追い込まれるなか(STUDIO VOICEも終わりました)、なかなか面白い現象だと思いませんか。
長崎人の生活にダイレクトに根ざすような、いきいきとしたリトルプレス、創刊が待たれます・・・
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