こざき先生のご自宅兼アトリエで、襖(ふすま)の水墨画に囲まれながら、美味しいお茶とお菓子をいただいて、今日はいい気分です。
気さくな先生は、穏やかな奥様と一緒にいろいろと作品を見せてくださって、「楽しい時間はあっという間」とはまさにこのこと。
近々丸山公園に納められる制作中の龍馬像をはじめ、これまでの版画や水彩画、ガラス絵にオブジェ、陶芸など、ご自宅は「小崎侃美術館」と化していています。
こざき先生といえば「長崎」という土地にちなんだ作品が多いのですが、ボクは即興で描くこともあるという襖絵と版画の蔵書票、個人的にはこれが大好きです。
襖は障子と違って中国伝来ではなく平安時代の日本に誕生したといわれていますが、ボクにとっては幼い頃に家にあった松の絵+金粉みたいなのが薄汚く経年劣化してしまったイメージと、京都のお寺なんかで見るギンギンとまぶしいものの、どっちかでした。
写真はご自宅から見た長崎港に、先生がよく用いられるふくろう君。上部から山頭火さんの歌が入った、心落ち着く芸術作品に仕上がっています。
ちょっと考えれば、襖には部屋を隔てたり解放したりという便利な機能のほかに、ピシャッと閉めることで怒って見せたり、スーと開け閉めすることで「あなたは大切なお客様ですよ」と言ってみせたりする、いかにもジャパン的な良いモノなんですよね。
こざき先生の襖絵は楽しいから、ついつい眺めてしまいます。そうすると、襖というものの価値が甦ってくるんです。
魅力的なアートやデザインには、そういう力もあります。