YUKINARI: 2009年9月アーカイブ

RAMA9DRUG.JPGシルバーウィークのバンコクにて、なぜか頭の右半分が痛くなり、

持病の偏頭痛かな?と思っていたのだけれど、右耳まで痛くなってきたので、

夜になって現地の病院へ行ってみることに。

 

パスポート片手に、興味半分ということもあってワクワクしながら?タクシーへ乗り込みました。

 

連れて行かれたのは今回のホテルの近くだった「ラマ9世病院」。

 

建物は立派だし、清潔感があって日本特有の病院臭もありません。

夜の9時だというのに案内はすごく丁寧で、看護士さんが体重と血圧を測り、待つこと5分。

 

いよいよ診察室へ通されると、大学生かと思うような若い女医さんから、いきなり笑顔で「こんにちは!」と日本語で言われてビックリ・・・。

 

もちろんその後は英語でしたが、いつもの偏頭痛とは違うし、痛みは転移していくし、病状の説明って難しいものです。

 

それでも、日本語版の医療系資料やジェスチャーも使って丁寧に診察してくれて、帰国して日本の医者にかかったときに渡す英語のメモもつくってくれました。

 

処方箋は筋肉弛緩剤を3種類、抗炎症剤を2種類。

薬名表記も日本語という徹底ぶりです。

 

写真のラマ9世病院オリジナル紙バッグに入れてもらい、診察とあわせてトータル1,000バーツ(約2,700円)という良心価格。

 

なんか、感動しました。病院もサービス業、という感じ。日本の病院にかかって、こんな気持ちになったことがなかったからかもしれません。

 

で、結局なんだったかというと、首の筋を極度に痛めていたらしいのです。

 

そういえば先日、せっかく安いのだからと、プロンポーンで頭からと足からと二人がかりのマッサージを受けました。タイ式マッサージには馴れていましたが、そのときはちょっと痛すぎるなあ...と感じていたことを思い出しました。

 

 

ちなみにミネラルウォーターもラマ9世病院オリジナルラベルです。

日本の病院でも、こんな可愛らしいブランディングをしてみたらどうでしょう。

体調の悪い患者さんが、少しでも心和らぐような病院のサービスって、こんなことでもできるんだな、と思いました。

  RAMA9WATER.JPG

okano_web.JPG

思案橋にある「ステーキハウスおかの」さんのウェブサイトがオープンしました。

 

 

当初の打合せでは、ウェブサイト制作の意義を明確にする必要がありました。

 

飲食では「集客」をテーマにしたケータイでのポータルサイト(ぐるナビ等)が充実していたり、

Hot Pepperなんかのフリーペーパーもすでに生活に近い存在となっています。

 

それじゃあ歴史ある「おかの」さんがPCのウェブサイトに何をさせようかとなったときに、

 

「どんなお店なのか」

「希望する空間のイメージがその店にあるか」

「信頼できる食材を使用しているか」

「スタッフの雰囲気は」

「サービスは期待できるか」

などなど・・・

 

なによりも「お店のことをしっかりと誠実に伝える」ための、広報の核となる場所にしよう、ということになったのです。

 

集客やコミュニケーションは前述したような他の媒体に任せるとして、予算をかけずシンプルな構成とし、品格を伝えるために写真を撮りなおしました。ロゴはデータとしておこしなおして、その使い方を確認します。

 

取り組みやすかったのは、チーフはお店を愛していますし、担当していただいたオーナー会社のBさんもテキストをおこし、撮影に立会い、一生懸命に協力していただいたこと。

 

「これを機に、サービスのコンセプトを再確認しているところです」

とは、Bさんからのスゴイ嬉しい言葉でした。

 

できあがったモノを判断するのはもちろんお客様です。

 

ただ、仕事の充実感というのは、完成品の中よりも、見えないお客様のためにお店と一緒になって、工夫をして、努力する時間にあるように思います。

 

「おかの」さんも、やっぱりそんなことを大事にされるお店だったんですね。

folkartjapan.JPG

 

先日、個人的に「本」を装丁したいという方がいらっしゃって、"和"の雰囲気がキーワードだったので、なんかないかな?と自宅の本棚をのんびり眺めていました。

 

取り出したのは1958年に発行された「THE FOLK ARTS OF JAPANMUNSTERBERG」という、アメリカ人が作った日本の古民藝本です。

当時東京のアメリカンクラブという団体が監修、デザインからタイポまで米国人デザイナーが作った和本ということで、和風テイストがより象徴的に表現されている予感がしたのです。

 

ページを捲ると、「to soetsu yanagi」とあり、日本民藝美への感謝を我々に教えてくれた、とあります。

 

柳宗悦は民藝に美を発見、美術史ではタブーだったこれらの美的価値を一般に紹介した有名人ですが、プロダクトデザイナー柳宗理のお父さんといえばもっとわかりやすいでしょうか。

ちなみに子どもや甥っ子は園芸家だったり陶芸家だったり、みんなそっち方面でホンモノの、コワい一族です・・・。

 

古くから「アート」と呼ばれる敷居の高いものは、特定の作家の個性的な感性や技術によって形づくられてきました。そこは民衆が立ち入れない(高尚な)別世界であって、その世界が認めたものが初めて、世の中で「素晴らしい」と賞賛を受ける構図になっています。

 

それが最近では、自らの趣向を公に示すことが良しとされる風潮も手伝って、私たちが無名の作家の作品に心を奪われ、多少の金額をいとわずに積極的に購入することは特別なことではなくなりました。

 

道端で売っていた手づくりの焼物のデザインが気に入ってつい買ってしまう、とか、昔から家の片隅にしまってあった照明が意外と格好いいことに気づいて、それにあわせた模様替えのための家具探しをはじめる、とか、ますます個人的なことになっているわけです。

 

つくり手の創意工夫が熱心にこもったプロダクトと、それを自らの感動の対象へと純粋に受け入れる購買人の関係は、楽しいですね。そこにはアートだろうがなんだろうがどうでもいい、感覚としての「美」を簡単に分かち合える空気があります。しかも、それを眺め、手に取るたびに楽しいとなれば言うことはありません。

 

氏も今年で生誕150年。

もし柳宗悦が現代にいたとしたらマスコミに引っ張りダコだろうなあ、と思いながら眺めていましたが、ほとんどの都道府県の民芸品が紹介されているこの本、長崎からは「ゼロ」でした・・・。

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