家具インテリアの最近のブログ記事

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毎年ゴールデンウィークになると、有田と隣町の波佐見を中心に陶器市が開かれます。

今日はそのゴールデンウィーク前の日曜日。

久しぶりに天気が素晴らしかったので、ドライブがてら白山陶器の醤油注しを買いに有田波佐見方面へ向かいました。

来週には凄い混雑になる有田でのんびりと店先をひやかしたあと、波佐見の白山陶器へ。
しかし残念ながら店舗は改装中。
まあ、白山の醤油注しは超定番なのではっきりいってどこでも買えるんですが、
買うと決めて出かけてきたからにはどうしても手に入れなければなりません。

あ、そうだと気づいて「花わくすい」へ。
しっかり目的を果たしたあとは、もちろん東彼杵ICまで一般道で。
お気に入りの川棚からそのぎへの海沿いの道を通って、帰路につきました。

写真は有田焼の平壺。直径50cmくらいあって華やか、見ていて楽しくなります。

お値段210万円ナリ。

 

有田は佐賀県、波佐見は長崎県。

有田焼も波佐見焼も、江戸時代に伊万里港から積み出されていた通称伊万里焼ですが、

どうしてここが県境になったのか、調べてみるのも楽しそうです。

 

「長崎の名物は何ですか」と訪ねられたとき、カステラ・ちゃんぽんも結構ですが、

個人的には、世界的に有名な「伊万里焼」の名前を出したらよいのに、とよく思うのです。

BONSAI

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tsubaki.jpg「盆栽=老齢」というイメージはなかなか拭えません。

 

幼い頃観ていたサザエさんでいう波平さんの趣味?だったと思うし、藤子不二雄マンガの主人公が野球ボールを取りに行く先は庭に盆栽のある怒りっぽい爺さん家だったような気もします。

 

しかしそんな先入観のない外国人の方なんかは、そのディテールの美しさに感動されるとか。

 

会社の近くの長崎市民会館に、「盆栽椿愛好会展示会」という大きなハチマキが掛けてあるのは昨日通りすがりに気づいていたんですが、その時まさか自分が入ってみることになるとは想像すらしていませんでした。

 

それがなぜiPhoneで写真までおさめることになったかといえば、ボクが最近Twitterを始めていて、著名なディレクターの原研哉氏が「盆栽」のデザインとしての素晴らしさを熱くつぶやかれるものだから、「あ、このタイミングは一応見ておけと神様が言っているのかな。」と思い、本日撮影の帰りに潜入したのでした。

 

長崎の椿愛好会なる団体なので盆栽は椿に限られていたのですが、なるほど手をかけ暇をかけ完成された風が伺えました。空間に根ざす芸術といえば建築から何から殆どのものがそうなのかもしれませんが、自然の力と共生しているので、やはり華道に通ずるのでしょう。

 

しかし華道と違って長い年月をかけたと思しき作品のなかには破格値で売られているものもあり、おそらくなにか盆栽道(?)でいう致命的な欠陥があるのかもしれないのだけれど、ここまで立派だと「自宅にあっても格好良いのでは」などと考え始める始末。

 

写真は知事さんや市長さんから賞が贈られたもの。

 

見つめていて「このあたりが好きだ」なんて交わしている愛好家の方をみると、なるほどなあ、これは完全なデザインとしてのフォルムの追求と、ペットを可愛がるような生物への純粋な気持ちの融合であるから、とても素晴らしいカテゴリーなんだと認識を改めることになりました。

 

係の爺さんに(ご想像通りスタッフは全員高齢・・)盆栽のことを何かしら訪ねようと思ったら、爺さんの激しい痰吐きが収まらず、待っていてもしょうがない気がしてきたので仕事へ向かいました。

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こざき先生のご自宅兼アトリエで、襖(ふすま)の水墨画に囲まれながら、美味しいお茶とお菓子をいただいて、今日はいい気分です。

 

気さくな先生は、穏やかな奥様と一緒にいろいろと作品を見せてくださって、「楽しい時間はあっという間」とはまさにこのこと。

 

近々丸山公園に納められる制作中の龍馬像をはじめ、これまでの版画や水彩画、ガラス絵にオブジェ、陶芸など、ご自宅は「小崎侃美術館」と化していています。

 

こざき先生といえば「長崎」という土地にちなんだ作品が多いのですが、ボクは即興で描くこともあるという襖絵と版画の蔵書票、個人的にはこれが大好きです。

 

襖は障子と違って中国伝来ではなく平安時代の日本に誕生したといわれていますが、ボクにとっては幼い頃に家にあった松の絵+金粉みたいなのが薄汚く経年劣化してしまったイメージと、京都のお寺なんかで見るギンギンとまぶしいものの、どっちかでした。

 

写真はご自宅から見た長崎港に、先生がよく用いられるふくろう君。上部から山頭火さんの歌が入った、心落ち着く芸術作品に仕上がっています。

 

ちょっと考えれば、襖には部屋を隔てたり解放したりという便利な機能のほかに、ピシャッと閉めることで怒って見せたり、スーと開け閉めすることで「あなたは大切なお客様ですよ」と言ってみせたりする、いかにもジャパン的な良いモノなんですよね。

 

こざき先生の襖絵は楽しいから、ついつい眺めてしまいます。そうすると、襖というものの価値が甦ってくるんです。

 

魅力的なアートやデザインには、そういう力もあります。

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先日自宅に届いたアンティーク・チェストを嬉しくなってつい撮ってしまいました。

 

「ホンモノの」というのは、以前書きましたが、<アンティーク>の目安である100年を経過しているということ。1910年頃の製造だそうです。

 

それから英国製であること。だから、単純にボクの感覚であることを付け加えておきますね。

 

天板からしてかなり痛んでいるんですが、大好きな広島のお店がきちんと手入れをして販売しているので、使用に問題はありません。

 

Bebe's Antiques小関由美さんの本を読むと、イギリスという国の印象は変わらないものの、ボク自身のイギリスに対する理解が変わったことを思い出します。

 

ほとんどの英国人が家のちょっとした大工仕事や塗装を自分でやってしまうらしいです。なぜあちらにアンティークやヴィンテージの家具・雑貨が今でも多いのか、わかりますね。

 

古いものに対する思い入れ、という格好いいものではなく、使えるものは使おうという現実的な習性があるのでしょう。素晴らしいと思います。

 

そういえばイギリスでは不況のなか、フィッシュ&チップスが売り上げを伸ばしているそうです。

 

長崎にはアイリッシュ・バーがないので(たぶん?)、久しぶりに食べたくなってきました・・・。

 

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ホテルニュー長崎のブライダルコーナーで、ショーウィンドウディスプレイのお仕事です。
 
撮影された5枚の大型タペストリーを木枠で吊るし、柳宗理のバタフライスツールやフランクロイドライトのショートスタンドなどを配して、全体的な和モダンのテイストを表現しています。
センターには楽しさの伝わる婚礼写真集を開いて。
エッセンスとしてポールケアホルムをはじめとする洋書を無造作に散らしていますが、
これらすべて写真家の松村兄さんの提供なんですよね・・・。
 
松村さんのアルバムは木箱に入った木カバーの冊子になっていて、かなりアジがありますよ~。
現在結婚をお考えの方、いかがでしょうか???
 
ところでこういう仕事の面白さは、イメージをひとつずつリアルに実現していくときの整合とギャップであったり、
こちらの感性と顧客満足とカスタマーニーズを落とし込むバランスであったりするんですけど、
 
個人的にいえば、あーだこーだと職人さんやお客さんと現場で造り上げていく時間であったりします。
 
あとは、不特定多数の方に観ていただける「プチ展示会」みたいな感覚。
 
今回使われた皆が知ってる伝説のヴィンテージたちも、なんだかんだいって長崎ではそう目にするものではありませんよね。
長崎の若い方々へロングライフなデザインを再認識していただく意味では、いい感じの露出ではないかなと思います。
 
松村さん有り難うございました!!
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写真家の松村兄さんの事務所、「PHOTO STYLE」はお隣の麹屋町にあります。

 

2階スタジオの通りに迫り出した部分は陽当たりがよくて、気持ちのいい打ち合わせスペース。

ただしボクにとっては打ち合わせというより団欒スペースなので、ついつい長居してしまいますけど。

ごめんなさい。

 

松村さんは写真家らしくコダワリをお持ちなので、昔からぼちぼちと集めて来たイームズ系家具や英国アンティーク、鏡とか書とかポスターなんかがバラバラと置いてあるのですが、一見無造作なこの個性が実は妙にまとまっているのは、セレクトに一貫性があるからなのか、信念にばらつきがないのか、羨ましい限りです。

 

と思ったら、スペースのイメージを一新したいともおっしゃいます。

もっともっとシンプルにしたいのだそう。

 

そういうボクも、趣味趣向は年々シンプルベースになってきました。

好みにしても、仕事にしても、人生にしても、無駄なものがそぎ落とされていくものなのでしょうか??

 

ところでアンティークってどれくらい前のものを指しているかご存知ですか?

時代は19世紀末、マッキンリー米大統領が定めた輸出入に関する法律の中に、

正式なアンティークとは100年経過したもの

というのがあるそうで、これが一般的です。

 

それ以内はヴィンテージと呼んでいいかもしれません。

 

単純に「いつまでも美しい」とか「いつまでも心地よい」という視点から買い物をするようになると、

アンティークとかヴィンテージとかモダンなんて基準はどうでもよくなって、

それなのにうまく共生するようになるのだと思います。

 

ボクもそういう買い物をしてゆくのでしょう。

というより、ボクの場合はそうしないとお金が足りませんので・・・

 

近い将来、アンティークやヴィンテージの家具や雑貨を、販売したいなと思います。

少しずつですが・・・。
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鍛冶屋町のカフェ+アートギャラリー「CANANG」は、ボクの妹夫婦がスタッフの方々から懇意にしてもらっていて、オーナーは写真家の濱本さんという方。

 

以前はアンティークギャラリーだったところを手造りで少しずつ改装している雰囲気のあるカフェです。

 

お世話になっている宗福寺近くの美容室「ELF」さんで打ち合わせの帰り、この薄暗い空間に惹かれてバリ島の話なんかで盛り上がっておりました。

 

ここにはボクなんかがデザインを語るにはおこがましいブツがいろいろ。

 

写真はミッドセンチュリーの雄、ノール社が発表したハリー・ベルトイの「ダイヤモンド・チェア」ですね。

 

不揃いの大きさの四角形が、流れるように並ぶ金属シェル。

スチールの一本一本を曲げて成型したのちに、丁寧に溶接されています。

 

イームズのDKRと似ていますが、正方形の網目が格子状に並んでいる点が違いますね。軽量のため屋外使用で考案されたという話もありますが、こんな高価なもの屋外じゃあ使えんでしょう・・・。

 

ただし当時は日常品として普通に販売されていたもの。

イームズだってもともとは、よいデザインを安い価格で皆に使ってもらおうという趣旨だったはず。

なんでこんなに高価になっちゃったんでしょうね・・・。

 

技術の進歩と新素材の出現が華々しかったミッドセンチュリー。

この時代のデザインはそんな背景で自由をつかむことができて、

傑作をボコボコ産んでしまう結果となったわけであります。

 

ん??何の話だっけ。
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我社スペース・ラボは基本的に土日休みですが、お客さんの都合でちょこっと出ることもしばしば。

 

こんな日はTシャツで出かけて、お互いラフに打ち合わせられるのが妙に嬉しくてたまりません。

 

平野町の保険代理店さんが自主発行している季刊新聞、<夏号>の校正チェックでオフィスへお邪魔しました。

約束の時間に社長さんがまだ現れないので、エントランスの「ネルソン・プラットフォーム・ベンチ」にボーっと座ります。

 

昨年事務所を新設されたときに、

「来客のあったとき、カバン置きみたいな椅子が欲しいとさねー。なんかない?」

という社長さんに購入を勧めたのでした。

 

いわゆる「ミッドセンチュリー」の仕掛人、ジョージ・ネルソンが創った有名なベンチです。

ミッドセンチュリーって、1950年代から60年代の20世紀中半に主にアメリカでデザインされたインテリアを指すんですが、50年経ってデザインの権利が切れたため、似たのがわんさかできました。

 

ミッドセンチュリーの家具は半世紀以上経った今でも大人気、その代表格がチャールズ&レイ・イームズ夫妻といえばわかりやすいでしょうか。

 

この有名なチャールズおじさんを家具ブランドのハーマンミラー社に呼び寄せたのが、同社のデザインディレクターを務めていたネルソンさんで、イームズ夫妻とイサム・ノグチの2枚看板で一世を風靡したというわけです。

ネルソンさんは敏腕デザインディレクターとして有名ですが、あらためてネルソンベンチを眺めて座ると、デザイナーとしての力量も計り知れず。

 

しかしこの、座ってるとオシリには型が付きそうだし、味が出るまで何年もかかりそうなネルソンベンチの、一体何がスゴいのか、二日酔いの頭で考えます。

 

エントランスは自動ドアで土間は大理石、観葉植物のある明るい洋空間。

ただし信心深い社長は立派な神棚を祭っています。

 

そうなるとシンプルで主張せず、どんな空間にも何気なく溶け込むこのネルソンベンチ様の威力を感じずにはいられないわけで、要するにこのデザインの偉大さは「永遠のニーズ」に集約されてる気がします。

そしてそれはインテリアに限らないんだってことを教えてくれます。

 

ああ、スペース・ラボも、そんな永遠のニーズを孕んだデザインを追求しなくては・・・。
ひとつひとつ、それを問いかけながら頑張らなくてはいけません。

 

とかなんとか考えつつも、そこは二日酔いの残る休日の朝、しかもTシャツ姿では真面目な考え事にも限界があります。コンビニで買ったダイエットコーヒー(こんなものがあるの?とつい買ってみました)を2本飲みながら、何気なくいいベンチにすわり、なんとなくいい気分で社長さんの登場を待ってたら、次の約束の時間を忘れて・・・。

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