ボクがオフィスに持ち込んだ、アントニ・タピエスのアートポスター。
それがなんと、東京からふらりと戻った社長によって、マガジンラックの裏に押し込められるという冷遇・・・。
この20世紀を代表する現代美術の巨匠が受ける屈辱をチラ見するたびに、自宅に持ち帰ろうか悩みます。
タピエスを知ったのは若い頃に旅行したバルセロナですが、「ピカソとチングー」というこれ以上ないセレブコネクションを持っているんです。だからバルセロナ市当局から、ピカソに捧げるモニュメントの製作を指名されたのが彼なんです。
ロンドンのテートギャラリーとか世界中の有名美術館に所蔵されて、ん・・・たしか長崎県立美術館でも見たような気がする・・・アンフォルメル(不定期主義)のリーダー的存在、絵画に砂とか土、大理石の粉なんかを取り入れた、いかした美術品を創り出しました。
しかし考えてみると、誰だって好きなデザイナーやアーティスト、あるいはミュージシャンでもいい、彼らを思い出すときに、それぞれ彼らの作品の中で嫌いなものひとつやふたつはありますし、実際に大衆の支持を得ないケースってありますよね。
そういう意味では、世にまず作品ありき、製作者はその作品の影でのみ賞賛されるという常識を再認識してしまうわけです。
スペースラボはアーティスト集団ではありませんが、デザイナーももちろんこの部分では同じ。
それにしても社長、せめてひとこと言ってからにして。