長崎港を望む高台に新しくオープンしたホテル「ガーデンテラス長崎」を案内していただく機会がありました。
このホテルは建築家の隈研吾氏が総合プロデュースしたことでも有名で、現代のホテルにおける「モダン」のひとつを定義づけているといえるのかもしれません。
ランチのコースをいただいて、ホテル内を案内の方に連れられて散策。
写真は屋上テラスにある挙式用のガラスのチャペル。長崎の街が一望できて、素晴らしい眺めでした。
ところでガラス壁のチャペルは以前からの流行で、ボクのときもそうだったと憶えています。
クラシックなチャペルとモダンなガラスのチャペル、どちらか選択してください、ということだったような気がします。
日本の結婚式がどうしてホテルのチャペルでなければならないのか、永いあいだ式後のパーティが披露宴という形式を採ってきたためであるとは思いますが、冷静に考えれば考えるほど、どうも見せ掛けだけの、滑稽なものに感じてきます。
思いおこせば留学中のウィンターブレイクに無料でホームステイをするため、半年の間バプテストチャーチへ通った経験がありますが、米国やその他の国のカトリック教徒にとって、教会は精神の支柱であり、心のよりどころです。
世界中の有名建築の大半が人々の宗教の象徴であることからもわかりますが、彼らは真剣に、心から信心深く敬っているのです。
日本の新婦がより現代的に美しく見える晴れ舞台として、単純に教会が好まれるのでしょうね。
夜は先輩の義理のお母さんと夕食をご一緒させていただきましたが、いつもお若くてお洒落な方。年齢を重ねても、女性らしさというものをいつまでも感じさせる方は、憧れますね。
そのお母さまが香港のペニンシュラホテルを取り上げて、ホテルの本質がサービスにある、という話題で盛り上がりました。品格を失わずに歴史を重ねていく理由は、もちろん建築や間取り、調度品なんかのしつらえにも表れるでしょうけれど、やっぱりサービスなんですよね、という話。
滞在中、押し付けられるような感覚を一度も感じることなく、それでいて少しの不自由も感じない、絶妙なサービス。プライベートを閉塞するの温かな安心感と、非日常の開放的な高揚感をバランスよく与えてくれる、そんなホテルはやはり記憶に残って、「またあそこへ帰りたい」としばしば思うものです。
これから時を経て、どんなホテルになってゆくのか楽しみです。