ファッション: 2008年8月アーカイブ

 

soccerJC.jpg今朝起きたら妙に全身が痛いのは、一昨日のサッカーのせいです。

ハンディキャップサッカー青少年九州選抜チームの韓国遠征前の調整試合相手に借り出され・・・20分の3本でボロボロです(1本目で死にましたが・・)。

選手の皆さんには調整にもならなかったでしょうが、楽しませていただきました。しかしサッカーって、たまにやるには身体に悪いスポーツですね。 

昨夜はなでしこジャパンが米国に負けて、ドイツとの銅メダル争いへまわることに。悔しかった~!!

 ところで今日はユニフォームのデザインについて、ナイキのクリエイティブ・ディレクターが雑誌に面白い話をしていたのでご紹介します。

 

デザイナーが語るナイキ・プロダクト
「ユニフォーム進化論」

ユニフォームのデザインを手がけたフィル・ディキンソン氏が「アイデンティティー」をキーワードにその秘密を語る。

 

<見た目の印象はとても重要-様々な意見を大事にする。>

ユニフォームをデザインする際にはどんなことを心掛けていますか?
「国を代表するチームが着用するユニフォームなので、まずは、その国についての理解を深めなければなりません。機能面では、やはりパフォーマンスの向上を追及するということですね」

デザイン的なアプローチから、選手のパフォーマンスを高めることは可能なのでしょうか?
「厳密に言えば、できません。ただし素材や機能もデザインの一部と考えるなら、もちろんそれは可能だと言えます。例えば、現在はスリムなシルエットがデザインの主流ですが、これは、アスリートのパフォーマンス向上を研究している「ナイキ・アドバンスト・イノベーション・チーム」が様々な実験を行い、選手からのフィードバックを得て実現しました。現代のサッカーは、ますますスピードアップしています。スリムなシルエットは、空気抵抗を軽減するという意味でも、そういったサッカーの時流にマッチしていると言えるでしょう。最も分かりやすい例では、スピードを追求して陸上競技用に考案された、まるで全身タイツのような「スイフト・スーツ」が挙げられると思います」

アメリカ、オレゴン州にあるナイキ本社のナイキ・スポーツ・リサーチ・ラボ(NSRL)では、様々な実験が行われているようですね?

「NSRLでは温度や湿度などを調整して人工的に様々な環境を作ることができるので、そこで実験を繰り返しています。スリムなシルエットをを採用したのも、そういった実験結果の一つですね。それとユニフォームはやはり見た目の印象がとても重要ですので、相手に脅威を与えるようなデザインを心掛けなければなりません。したがって、現在のデザインは体格の良い選手でもそうでない選手でも、比較的ガッチリと見えるように作られています」

ユニフォームが完成するまでの行程を教えてください。
「まずはその国のサッカー連盟や代表チームのスタッフ、さらに監督などとも基本的なデザインについて話し合います。そして実験によって導いた結論から機能面を確定させ、デザインを進めます。もちろんアスリートの意見だけでなく、サポーターの意見にも耳を傾けますよ。彼らは機能よりも細部のデザインにこだわりますから、そういった意見も大事にしなければなりません。

 

<土台を崩すことなく、時代に合ったデザインを。>

デザインをする上で最も大事なことは?
「その国のアイデンティティーを表現することだと思います。そのためにも、十分なリサーチを試みる必要がある。例えば、オランダの場合は、誠実で清潔感のあるデザインという要望が前提にあって、その上で国旗に用いられている赤、青、白の3色を使うことや、エンブレムの形づくり、襟元に国歌をプリントすることなどが決められました。アウェイのユニフォームで基調となっている青は、オランダの王家を象徴するカラーです。選手も監督もすごく気に入ってくれていて、誇りを持って着てくれています」

オランダはオレンジ、ポルトガルは赤とある程度ナショナルカラーが決まっている中で、常に斬新さを表現するのは難しい試みでは?
「そうですね。ただポルトガルのユニフォームを黒にしたり、オランダのユニフォームを紫にすることはできませんが、歴史の中で色も微妙な変化を遂げてきています。オレンジはオレンジでも、明るいオレンジと濃いオレンジではかなり違います。もちろん、カラーはその国にとって非常に意味深いものなので、土台を崩すことなく、時代に合ったデザインを適用して少しずつ変化させています」

今回発表されたユニフォームは、それぞれの国で異なるナンバリングが大きな特徴の一つですね。
「ユニフォーム自体のデザインと同様、ナンバリングも個性を表現する上で重要な要素です。ですから、今回はその国のアイデンティティーやスタイルからインスピレーションを得て、それぞれのナンバリングを表現しました。例えば、トルコはアラビア語からヒントを得ていますし、オランダは今国内で流行している13世紀のデザインを取り入れました」

今後、ユニフォームはどのように変化していくと考えていますか?
「もしかしたら、スイフト・スーツのような形になるかもしれませんね(笑)。素材やテクノロジーは日々進化しているので、もっと軽く、もっと動きやすいものができると思います。事実1998年のユニフォームと現在のものを比較すると、約50パーセントの軽量化に成功しています。もちろん機能面では今後も大きな進化を遂げるでしょう。ただアスリートが機能面を追及する反面で、サポーターは細部のデザインに強いこだわりを持っています。つまり、私たちの仕事は、両者の要望に注意深く耳を傾けながら、最高の答えを導き出すこと。もっとも、この課題とは、半永久的に向き合い続けなければなりませんけどね(笑)」

 フィル・ディキンソン(Phil Dickinson)
ナイキ・グローバル・クリエイティブ・ディレクター。2007年からフットボール部門の現職に就任。フットウェア、アパレル、エキップメント、ブランディングなどのプロジェクトに携わる。

 「2008 NIKE FOOTBALL GRAPHIC」 より引用

 

それにしてもオランダ代表のゼッケンのフォント(字体)が、地方都市デルフトで数多く見られる13世紀の建築物や芸術品からインスピレーションを得てデザインされているとは・・・

ますます好きになります!

 

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