鍛冶屋町のカフェ+アートギャラリー「CANANG」は、ボクの妹夫婦がスタッフの方々から懇意にしてもらっていて、オーナーは写真家の濱本さんという方。
以前はアンティークギャラリーだったところを手造りで少しずつ改装している雰囲気のあるカフェです。
お世話になっている宗福寺近くの美容室「ELF」さんで打ち合わせの帰り、この薄暗い空間に惹かれてバリ島の話なんかで盛り上がっておりました。
ここにはボクなんかがデザインを語るにはおこがましいブツがいろいろ。
写真はミッドセンチュリーの雄、ノール社が発表したハリー・ベルトイの「ダイヤモンド・チェア」ですね。
不揃いの大きさの四角形が、流れるように並ぶ金属シェル。
スチールの一本一本を曲げて成型したのちに、丁寧に溶接されています。
イームズのDKRと似ていますが、正方形の網目が格子状に並んでいる点が違いますね。軽量のため屋外使用で考案されたという話もありますが、こんな高価なもの屋外じゃあ使えんでしょう・・・。
ただし当時は日常品として普通に販売されていたもの。
イームズだってもともとは、よいデザインを安い価格で皆に使ってもらおうという趣旨だったはず。
なんでこんなに高価になっちゃったんでしょうね・・・。
技術の進歩と新素材の出現が華々しかったミッドセンチュリー。
この時代のデザインはそんな背景で自由をつかむことができて、
傑作をボコボコ産んでしまう結果となったわけであります。