ロングライフデザインの最近のブログ記事

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毎年ゴールデンウィークになると、有田と隣町の波佐見を中心に陶器市が開かれます。

今日はそのゴールデンウィーク前の日曜日。

久しぶりに天気が素晴らしかったので、ドライブがてら白山陶器の醤油注しを買いに有田波佐見方面へ向かいました。

来週には凄い混雑になる有田でのんびりと店先をひやかしたあと、波佐見の白山陶器へ。
しかし残念ながら店舗は改装中。
まあ、白山の醤油注しは超定番なのではっきりいってどこでも買えるんですが、
買うと決めて出かけてきたからにはどうしても手に入れなければなりません。

あ、そうだと気づいて「花わくすい」へ。
しっかり目的を果たしたあとは、もちろん東彼杵ICまで一般道で。
お気に入りの川棚からそのぎへの海沿いの道を通って、帰路につきました。

写真は有田焼の平壺。直径50cmくらいあって華やか、見ていて楽しくなります。

お値段210万円ナリ。

 

有田は佐賀県、波佐見は長崎県。

有田焼も波佐見焼も、江戸時代に伊万里港から積み出されていた通称伊万里焼ですが、

どうしてここが県境になったのか、調べてみるのも楽しそうです。

 

「長崎の名物は何ですか」と訪ねられたとき、カステラ・ちゃんぽんも結構ですが、

個人的には、世界的に有名な「伊万里焼」の名前を出したらよいのに、とよく思うのです。

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チョコレートの「Kit Kat」が幼い頃から好きで、これまでいくつ食べたかわかりません。

 

「マッキントッシュの、キットカット」という不二家のCMのフレーズを憶えていますが、その後マッキントッシュ社はネスレに吸収されて、ネスレ・キットカットになったわけです。

 

思い出すのは留学していたころ。クラスが終わると、金沢から来た友人とキャンパスのカフェで熱いコーヒーをテイクアウト。隣の売店でキットカットを一枚買って、寒いなか湯気を立てながら、Coming Age PartyのLive打ち合わせをするのが日課に。

ウェハースとチョコが、熱いコーヒーで何ともいえない幸せが口の中にひろがったものです。

 

しかし、永く愛される市販のお菓子って、デザインの変わらないものが多いことに気づきます。

ポテトチップスや板チョコに始まり、せんべいなんかもそう。味や食感を知っている消費者にいつでも安心して手にとってもらえる定番化を果たしているからなのですね。

 

その中でもオールドアメリカンで元気のいいキットカットのデザインがボクは好きで、写真のトラックを本気で欲しい衝動にかられます。ゴルフバッグも検討しましたが、パッケージのあの微妙なレッドではないんですよね。

 

気になってウェブサイトを開いてみると、期待通り楽しく作ってあります。いま流行りのオリジナルキットカットも作成出来るそうで、これだけの定番商品になってもサービスの進化を行っていくブランドは、いいなあと素直に思うのです。

 

「定番化」があらゆるブランドの永遠の目標であることに気づけば、広告活動はいつも信念の伴ったものになるはずなんですけどね。

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ニューバランスのM13002度目の登場ですが、今回は先日発売された2010年モデルです。

 

初代は1985年の発売ですが、その後に普通に改良が施されたため、初代ファンのために199520002005年と5年おきに3回復刻(原型にできるだけ忠実に制作)されてきました。

そして今回が4回目。

 

当時、初代の絶妙なカラーが好きで1995年の復刻モデルを買って喜んでいたボクですが、スニーカーなんてたまの週末に履いても5年もすれば買い替えもいいところ。

 

当然のように2000年も買うつもりが、予約で完売。ボクの1300は汚くなるし壊れるしで、出番は減る一方。

 

ところが2005年も同じ状況で取り逃がすのです。そのあいだ古着屋さんでデッドストックを見かけても、とても買う気になれない金額。かといって他のスニーカーで同じカラーリングを出さないニューバランスには怒りさえ覚えつづけました。

 

じゃあ、次は2010年だろうと友人と話していても、「もう作らないらしい」とか噂がたって、こうなるともう幻のスニーカーと化してきます。

 

長崎ではまず見かけませんが、それでも街でたまに履いている人が若かったりすると、いったい何年の復刻か、似たのが出たのか?と気になる始末。

 

だいたいスニーカーとして当時いくらその性能が衝撃的だったといっても、25年も前の話なんです。

 

そりゃあ最新型の別品番のほうが履いていて気持ちイイに決まっています。実際993の気持いいこと文句ありません。

それなのに狂気的な人気を誇るこのスニーカーは、わざわざ25年前の再現をするうえ、「今度の復刻はどこまでオリジナルに忠実か」という問題が話題になるわけです。

 

もう、呆れて興味も薄れそうなものだし他にもカッコいいスニーカーは世にたくさんあるのですが、今回の1300は、ソールに当時のメーカーが再登場したり、縫い目の曲がり具合まで似せたり、ベロに貼られたタグの詳細がコピペしたようになっていて、箱や袋まで今まで以上だというじゃないですか。

 

ということで、買うしかなかった?わけでした。

単なる買い物報告・・・。

 

 

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「今日何か食べたいものある?」とか、「今夜のお店どこにしましょうか。」とか、だんだん考えるのが億劫になってくることが多くなってきたのは、けっこう前からのような気がします。かといって、最近のお店はどこへお邪魔してもしっかり美味しいし、雰囲気作りもきちんとしているので、「美味しかったね」と言い合って帰れる。

 

年齢ともに「味覚への興味」が薄れていくことを感じるとき、なにやら一抹の寂しさを覚えずにはいられません。

 

おそらくは、昔から「食」の楽しみはそれそのものの行為の時間であり、味の発見だけではないのです。だから「食」に時間を割けなくなってくると、「食」を楽しめなくなる。

 

いろんなコトへの興味がある中で、「食」への興味も持ち続けているはずなんですが、時間の余裕みたいなものが減っているのかもしれません。

現代ではいつどこへいても、ほんの少しの時間があれば簡単な食事は済ませられる便利さがありますが、本当を言えば、もうすこし大切にしたい物事のような気もします。

 

さて、長崎空港で買ってきた『牧島流鰺茶漬』。

 

私は観たことないのですが、TV番組「深イイ話」の「うまイイ話」で出演者から好評を得て、爆発的に売れているという新しい長崎のお土産です(楽天なんかでは半年待ちとも聞いてます)。

 

確かにこれはこれは美味しい!のですけれど、メディアは別として、世間が何か美味しいものを騒ぎ立てるたびに、「本当はみんなどの程度「食」に興味があるの?」と聞いてみたくなってしまいます。

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年末は手帳が新しくなるので気持ちよくて好きです。

 

以前はfilofaxのファイリングタイプをサイズを変えて重ね買いしたり、palmなんかのPDAもメモリが変わるたびに重ね買いしてましたが、ほとんど使わなかったんです。

なにやってんだか今思えば呆れますが、ここ7,8年は毎年1年コッキリで使い終えるポケットタイプのものを買っています。

 

ノートもいろいろなスケジューリングタイプを試してきましたが、最近はどうしてもバーチカル型を買ってしまいます。

物忘れが年々ひどくなっている気がして(?)、縦に時刻で区切ってあると見やすいんですよね。

 

来年の手帳も、MOLESKINEのバーチカル。ポケットサイズです。ひとくちにバーチカルタイプといっても、もちろん能率手帳からでてるモノのほうが配慮が細かくていかにも日本人のボクにとっては使いやすいんです。

なんでこれ使うかというと、200年の歴史があるから!といういつもの単純な理由。ゴムは便利だし無骨な手触りもいいし、商品に挿んであるラインナップ表も可愛らしいです。

 

そろそろ入っている来年の予定を丁寧に書き込むんですが、1ヶ月もたずに乱雑に。半年経たずに買い替えたくなる・・・。

 

しかも不意のスケジューリングはiphoneに入力してしまったりして、いったいどうすれば管理できるのか、こればかりは不思議な世界です。

 

なんかこう書いてみて、こんなに好きな手帳選び、あきらかに間違っているような 気がしてきましたが。

 

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ホテルニュー長崎のブライダルコーナーで、ショーウィンドウディスプレイのお仕事です。
 
撮影された5枚の大型タペストリーを木枠で吊るし、柳宗理のバタフライスツールやフランクロイドライトのショートスタンドなどを配して、全体的な和モダンのテイストを表現しています。
センターには楽しさの伝わる婚礼写真集を開いて。
エッセンスとしてポールケアホルムをはじめとする洋書を無造作に散らしていますが、
これらすべて写真家の松村兄さんの提供なんですよね・・・。
 
松村さんのアルバムは木箱に入った木カバーの冊子になっていて、かなりアジがありますよ~。
現在結婚をお考えの方、いかがでしょうか???
 
ところでこういう仕事の面白さは、イメージをひとつずつリアルに実現していくときの整合とギャップであったり、
こちらの感性と顧客満足とカスタマーニーズを落とし込むバランスであったりするんですけど、
 
個人的にいえば、あーだこーだと職人さんやお客さんと現場で造り上げていく時間であったりします。
 
あとは、不特定多数の方に観ていただける「プチ展示会」みたいな感覚。
 
今回使われた皆が知ってる伝説のヴィンテージたちも、なんだかんだいって長崎ではそう目にするものではありませんよね。
長崎の若い方々へロングライフなデザインを再認識していただく意味では、いい感じの露出ではないかなと思います。
 
松村さん有り難うございました!!
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鍛冶屋町のカフェ+アートギャラリー「CANANG」は、ボクの妹夫婦がスタッフの方々から懇意にしてもらっていて、オーナーは写真家の濱本さんという方。

 

以前はアンティークギャラリーだったところを手造りで少しずつ改装している雰囲気のあるカフェです。

 

お世話になっている宗福寺近くの美容室「ELF」さんで打ち合わせの帰り、この薄暗い空間に惹かれてバリ島の話なんかで盛り上がっておりました。

 

ここにはボクなんかがデザインを語るにはおこがましいブツがいろいろ。

 

写真はミッドセンチュリーの雄、ノール社が発表したハリー・ベルトイの「ダイヤモンド・チェア」ですね。

 

不揃いの大きさの四角形が、流れるように並ぶ金属シェル。

スチールの一本一本を曲げて成型したのちに、丁寧に溶接されています。

 

イームズのDKRと似ていますが、正方形の網目が格子状に並んでいる点が違いますね。軽量のため屋外使用で考案されたという話もありますが、こんな高価なもの屋外じゃあ使えんでしょう・・・。

 

ただし当時は日常品として普通に販売されていたもの。

イームズだってもともとは、よいデザインを安い価格で皆に使ってもらおうという趣旨だったはず。

なんでこんなに高価になっちゃったんでしょうね・・・。

 

技術の進歩と新素材の出現が華々しかったミッドセンチュリー。

この時代のデザインはそんな背景で自由をつかむことができて、

傑作をボコボコ産んでしまう結果となったわけであります。

 

ん??何の話だっけ。
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連休を利用してタイへ行ってきました。

半分お仕事、半分休日、ということで、国際展示会やゴルフももちろん?楽しんできました。

 

先ほどかるく荷解きをして、そういえば旅にお供したスーツケースを撮っておこうとパチリ。

 

ボクは1897年に英国で創業したこのケースブランドが大好きです。

特殊な紙素材で丹念に手作りされた軽量ケースは、「小象が乗っても壊れない?」ことで有名。

 

じつはこのスーツケース、ボクの身長では普通に引っ張って歩くと踵がゴンゴンと当たるサイズなので注意が必要です。まあ、だからといって他社のものを検討するわけでもなく・・・。

 

グローブ・トロッター社のケースは英国王室をはじめ英国王立空軍のほか、英国を代表する数多くの著名な冒険家たちに愛されてきました。

世界中の購入者は本部の顧客リストへメンバーズとして大切に保管され、110年という永い歴史を守り続けています。

 

部屋に置いても違和感の無いシンプルでアンティークモダンなスタイルはもちろんのこと、すごく軽くてすごく強い。

でも一番好きなところは、こういった老舗ブランド特有の「顧客を大切にする姿勢」です。

 

もちろん品質はトップクラスなんですが、どんなに変形しようが破損しようが、修理してくれるんですよね。

新しい品物を買え!とは言ってきません。

 

商品に対する徹底的なアフターの企業姿勢もさることながら、

顧客の商品に対する詮索できない思いをそっと大切にしてくれているような・・・。

 

「ブランドを買う」というのはこういうことなのかな、と思います。

そしてそんな会社を、スペース・ラボは理想にしたいと思います。

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一升瓶は尺貫法に基づいて1890年ごろに設計されたビンで、日光で痛みやすい液体を守るために茶色をしています。

コカ・コーラも米国で同時期に発表されていますので、国家を代表するビンが開発された時代といっていいかもしれません・・・なんのこっちゃ?

 

もともとは日本酒用のビンですが、もちろん僕らに馴染み深い焼酎にも利用されています。

 

そこで写真。鍛冶屋町は「」で、ランチのときに撮った超メジャー級芋焼酎の面々。焼酎界のレアルマドリッドみたいになってます。

ところでよく見るとラベルのデザインや素材はそれぞれですが、みんな一升瓶つながりですよね。

 

何を言いたいかって、別にラベルの筆文字の秀逸さとか和紙の話じゃあないんです。

 

かといってビンのデザインだって、普遍的といえばそうですが、シンプルだというほかない。実際ほとんどの家庭用にはデカ過ぎて場所をとるし、重ねられるわけでもない。

 

ただこの一升ビンは、これからのボクたちが暮らす「循環型社会」を推進してゆく象徴かもしれない、という話。

 

使われて、洗われて、また使われる。

焼酎クン同志が世間話で、「ああ、オレの先祖は森伊蔵だったらしい」なんて話で、すべてのメーカー・銘柄の垣根を越えて利用される素晴らしいビンなのであります。

 

紙パックやペットボトルも再利用品かもしれませんが、100年以上前からすでに再利用の意義をもった一升瓶。

 

こういう話を書くと、今夜飲まなきゃ失礼ですよねえ!!

それじゃボクは佐藤の黒で・・・ 

おや!?ピカソが書いたハト・・・ではないです。

 

8月15日の長崎の夜は、ウチの事務所のある八幡町も当然、精霊船が市内の喧騒の海へ航海にでます。

初盆を迎えて、死者の魂を生死苦悩の俗世からねはんの彼岸(ひがん)に渡す風習。長崎では独自の発展を遂げて、全国にも類を見ない主催者不在の一大イベントになりました。

何百万円もかけて造った船はどんどん巨大になり、それぞれの家や町の精霊を、どこにも負けずに華々しく賑やかにお送りしなければなりません。
今年は県内でたしか3700隻、無数の爆竹と鐘の音で主要道路はめちゃくちゃ、中心部は耳栓ナシでは歩けなくなります。テレビ中継も入って、地元情報に詳しいめっちゃ長崎弁のおじさんが「ここの家のはデカか!」とか解説をしていたような。

ところで江戸時代から始まったといわれる厳かなこの行事、主役はもちろんこの船になります。
こういう町単位で創られる船は「もやい船」と呼びますが、これはまだ午後4時の写真。
これから両サイドに提灯が連なって提げられ、正面に大きなお釈迦さまや南無阿弥陀仏が掲げられます。
船内には故人の写真や好物が乗せられ、ハッピ姿の縁者や正装の遺族が大名行列のようにそぞろ歩き。
また赤く奇妙に突き出した頭の部分を「みよし」と言いますが、ここが花で飾られます。これは和船の突端に突き出した波切りを表わしていて、長崎ペーロン船の先頭に付く波切りの小さな飾りが大元だそうです。

精霊船のフォルムデザインについて語ろうかと思いましたが・・・写真でお察しください、無理です。

長崎人はこれが終わればいよいよ、日本三大祭りの「長崎くんち」へ一直線。


仕事より気合が入ることばかり!・・・で、いいの??

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